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芝生用草種の特徴

寒地型芝草

ベントグラス

ベントグラスは、常緑性で、冷涼な気候を好む寒地型芝草です。
その中でも長い地上ほふく茎を有するクリーピングベントグラスは葉が繊細でやわらかく、密度の高い美しい芝生を形成します。極度の低刈りや頻繁な刈り込みに耐えるため、ゴルフ場のグリーンを中心に利用されています。近年、高品質品種及び耐暑性・耐病性品種が開発され、また、管理技術の向上により、北は北海道から南は九州・沖縄に至るまで利用範囲が広がっています。ほふく茎をほとんど持たないコロニアルベントグラスは、緑化用として利用されています。

ケンタッキーブルーグラス

ケンタッキーブルーグラスは西洋芝と呼ばれる寒地型芝生の中では最もポピュラーな草種です。
北海道・東北・高冷地などの冷涼地域で利用される芝生の基本草種としてゴルフ場やサッカー場などのスポーツターフや公園・緑地帯・家庭の芝まで幅広く利用されます。ターフの形成に長時間を要することが難点とされていますが、生存年限が長い常緑多年草で、葉は繊細でやわらかく、地下ほふく茎により旺盛に広がり、密度の高い美しい芝生を形成します。耐寒性は高いですが、耐暑性・耐病性は品種間差が大きく、品種選定が非常に重要です。近年、耐暑性・耐病性品種が開発され、また、管理技術の向上により、北は北海道から南は九州に至るまで利用範囲が広がっています。

トールフェスク

卜一ルフェスクは、生存年限の長い常緑多年草の寒地型芝草です。株状を呈して、分けつにより繁殖します。葉は粗剛ですが、根が深く、根張りも強いことから、耐旱性も強く、また、土壌をあまり選ばないため、道路法面の保護草として多く利用されています。寒地型芝草の中では、耐暑性が非常に高く、北海道から九州・沖縄まで日本全国で利用されています。近年、細葉・矮性・高密度タイプの品種が開発され、芝生用として利用が広がっており、すり切れ抵抗性が高いことからサッカー場などのスポーツターフの利用も増えています。環境に配慮した無花粉・矮性品種の開発が進み、新しい緑化が期待されます。

ファインフェスク類

トールフェスクと同属に分類されますが、葉は針状に細い。比較的に耐寒性、耐旱性、耐陰性に優れ、土壌適応性が広く、道路法面の保護や芝生用として混播で利用されています。

ペレニアルライグラス

ペレニアルライグラスは常緑の短年草で、冷涼な気候を好む寒地型芝草です。株状を呈して、分けつによって繁殖します。発芽・初期生育が早く、早期に芝生に仕上げることは可能ですが、補修用としても多く利用されます。繊細で柔らかい密度の高い美しい芝生を作ることができ、踏圧に強いことから、ゴルフ場やサッカー場などのスポーツターフ、公園や緑地帯・家庭の芝まで幅広く利用することが可能です。耐暑性や耐寒性に対する品種間差が大きく、耐暑性・耐寒性の高い品種は、北海道・東北・高冷地を中心に利用され、耐暑性の低い品種は関東以西を中心にウインターオーバーシード用として利用されます。耐虫性等を向上したエンドファイト活性品種が開発されています。

アニュアルライグラス

アニュアルライグラスは一年生 (越年生) の草種です。イタリアンライグラスもその一つで、発芽・初期生育が非常に早く、生育が旺盛なため牧草として利用されますが、刈込むと綺麗な芝生に仕上がり、冬でも緑の芝生にすることができます。耐暑性が弱く、生育期間が短いため、関東以西ではウインターオーバーシード用として利用されています。また、早期緑化用として他草種と混播して利用されることもあります。

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